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有名な蜜香紅茶を、産地と品種で分けて飲む台湾茶通になろう。

更新日:2023年9月20日


蜜香紅茶が生まれた経緯


蜜香紅茶は、茶葉がウンカという小さな虫に噛まれたことにより、甘い香りに変化した茶葉を紅茶に作ったものであり、英語の「Muscatel Black Tea」と同じことを指します。ダージリンのセカンドフラッシュと同じく、蒸し暑い夏に作られる紅茶は、夏に多く繁殖するウンカによって噛まれる茶葉が多く生産できます。ちなみに、台湾人共通的な味覚として、「蜂蜜/花蜜の香り」を省略して「蜜香」という表現をしているのは、台湾の蜂蜜は大抵龍眼やライチなどの果物の花からとれた蜂蜜であり、少しトロピカルでフルーティーな味わいもします。また、東方美人茶と同様にウンカによって噛まれた茶の葉から作られることにより、価格が急騰している東方美人の代替品として蜜香紅茶の価格も上昇しています。台湾の蜜香紅茶は、1990年代に花蓮県政府が無農薬農業を推進し始め、台東の蜜香紅茶の地位を徐々に置き換え、地域特産の茶に変えました。無農薬茶畑の栽培面積が大きくなり、農薬の使用がないためウンカが急増しました。蜜香紅茶は人気があるため、無農薬や有機栽培の政策に合わせて多くの産地で蜜香紅茶の製茶が増えており、現在は、三峽蜜香紅茶、坪林蜜香紅茶、花蓮蜜香紅茶、台東蜜香紅茶、阿里山蜜香紅茶、梨山蜜香紅茶などのがあります。

三峡地方の在来種、青心柑仔種


「青心柑仔」という品種は、主に新北市の三峡エリアで栽培されており、収穫方法は主に手摘みです。この品種は早生種に属し、緑茶は通常、一葉一心を収穫することが主です。同じ茶園における茶摘みは、茶園の最初から最後まで約7〜10日かかり、茶の木はすでに新芽が出ており、継続的に収穫できます。春と冬には通常、緑茶に加工され、夏には蜜香紅茶に加工され、三峡エリアは台湾で唯一の緑茶(碧螺春緑茶と龍井緑茶)の産地であります。

青心柑仔種という品種の特徴的な味わいは、後味に柑橘の香りがするのが一番の特徴で、緑茶にする時にとても爽やかでスッキリとした味わいで人気を集めています。


アールグレイのような爽やかさ


青心柑仔種の緑茶は市場で評判が良いのだが、夏季は気候が暑く、日照りが強いため、生産される緑茶は苦みが強く、緑茶としての品質と価格もあまり良くありません。そのため、三峽エリアの茶農家たちは、収益を向上させるために、紅茶の製造技術を向上させ、夏季の茶葉の収穫を効果的に活用することを考えました。2007年に茶業改良場の邱垂豐課長などの指導のもと、三峽エリアで青心柑仔種の条形紅茶(英語ではOrthodoxと呼びます)の生産と普及を始めました。

三峽エリアの茶畑は農薬を散布しない安全な栽培が多く行われており、小さなウンカという虫の噛まれることにより、そのお茶の香りが花蜜のような甘い香りが感じられます。紅茶の水色は琥珀色で、自然な花と蜜の香りが漂います。市場競争力とブランドの認知度を高めるために、2010年から三峽蜜香紅茶コンペティションが開催し始められました。独特の濃厚なフルーティー、ウッディ、花蜜の香りがして、香りが豊かで甘く、紅茶独特の丸みのある口当たりもあります。

また、青心柑仔種という品種の特徴的な味わいは、後味に柑橘の香りがするのが一番の特徴であるため、青心柑仔種で作られた蜜香紅茶は、柑橘類のベルガモットの入れたアールグレイと似たような味わいがすることも感じられます。


3月号の明前龍井茶は、同じく青心柑仔種で作られるため、同じ品種での緑茶と紅茶の飲み比べがオススメです。



左から右へ:青心柑仔種で作られた蜜香紅茶、龍井緑茶、東方美人茶

カテキンの酸化・発酵度からみると、蜜香紅茶は90%〜100%、緑茶は0%、東方美人は60〜70%前後となり、同じ茶の木から違う作り方で違うお茶が生まれるのが、お茶を楽しむ醍醐味です。

 

次は蜜香茶について説明致します。


蜜香茶とは、ウンカに噛まれたことによって甘い香りがするお茶のことのため、その茶葉を使って緑茶にも烏龍茶にも紅茶にも作られます。


近年、茶業改良場は積極的に蜜香茶の新たな種類を開発し、東方美人茶以外に、蜜香綠茶、蜜香紅茶、貴妃茶、蜜香紅烏龍などが注目度を集め、消費者にも高く評価され、有機栽培の推進により生まれた新しい台湾茶の分類とも言えます。これらの蜜香茶は、世界中でまだ多く作られていないため珍しいものと言われています。


様々な蜜香茶


甘みと爽やかさのある「蜜香綠茶」

緑茶と言えば、健康的なお茶のイメージが強く、その理由は、緑茶に豊富に含まれる「カテキン」成分です。多くの研究報告は、カテキンが抗酸化、抗老化、がんの予防、抗菌など、健康に良い効果があることを証明しています。緑茶は非発酵茶であり、カテキンが最も豊富に含まれています。ただし、加工過程で破壊が少ないため、一般的には明確な「茶臭い」や「生の茶葉の香り」といった強い匂いがあり、多くの台湾人が緑茶の味わいが強すぎると言い、烏龍茶ほど人気がない理由となります。「蜜香綠茶」は、このような緑茶が持つ「茶臭い」や苦みといった欠点に対処し、茶の風味は非常に甘く爽やかでアミノ酸含有量が非常に豊富で健康効果を兼ね備えた新しいタイプの緑茶です。


女王が名付けた「東方美人茶」

東方美人茶にはもう一つの名前、白毫烏龍とも呼ばれています。若い芽先の茶葉を白毫と呼び、まだ緑になっていないうちに採られ、新芽が多ければできたお茶に白い部分も多くなり、上等物にランク付けられます。ある遥かな伝説によると、当時台湾でお茶の貿易をやっていたイギリスの商人が、イギリスの女王に白毫烏龍茶を献げ、女王様が凄く気に入り、コップの中の茶葉をじっと見ながら、これはまさに「東方からの美人だ (Oriental Beauty)」と喜んでいたそうです。その後、Oriental Beautyが中国語に訳され、東方美人茶という名が生まれたそうです。


豊かで濃厚な「貴妃茶」

凍頂烏龍茶は「余韻」が最も豊かな茶と称され、東方美人茶はすべての茶の中で最も「風味」がある茶とされています。これら2つの有名な台湾茶にはそれぞれ特徴があり、優れている点が異なります。凍頂烏龍茶の「余韻」と東方美人茶の「蜜香」を組み合わせることができたのは、近年南投茶産地で人気の「貴妃茶」です。ウンカに噛まれた茶葉を凍頂烏龍茶の作り方で作られた貴妃茶は、烏龍茶に甘い花蜜の香りが付けられて面白い味わいを持っている台湾茶であります。

優雅で美しい「蜜香紅茶」

伝統的な紅茶は濃厚な風味を持っており、香りにはあまり重要性が置かれていませんでした。台湾茶業改良場の台東支場は、ウンカによって噛まれた茶葉を使用して、「蜜香紅茶」を開発しました。蜜香紅茶は、紅茶の風味に重点を置くだけでなく、優雅な香りの品質を向上させ、冷たくても熱くても楽しむことができ、特に冷たく飲む時に蜜香がより豊かに感じられます。現在、蜜香紅茶は花東地域の特産茶となり、特に花蓮県瑞穗郷の舞鶴村で生産される蜜香紅茶は非常に優れた品質を持っており、花蓮県を代表する茶となっているが、三峡エリアの蜜香紅茶も近年特殊な品種の香りと味わいで人気を集めています。


焙煎で香ばしい「蜜香紅烏龍」

紅烏龍茶は、茶業改良場台東支場によって2008年に開発された新しい特産茶であり、導入後、消費者から多くの好評を得ました。烏龍茶と紅茶の加工方法を組み合わせて新しい種類の茶葉を製造したもので、発酵度は烏龍茶の中で最も高く、焙煎もかけられています。紅烏龍茶は、黒くて丸い外観を持ち、茶湯は鮮やかなオレンジ色で紅茶のような風味があります。茶の質は厚く、熟成したフルーツの香りが広がり、冷たくても熱くても楽しめ、特に冷たく飲む際にさらに甘く感じられます。紅烏龍に製作するための茶葉の条件が季節、品種、害虫などの要因に影響を受けにくいため、茶園は農薬を散布する必要がなく、無農薬でウンカによく噛まれて蜜香紅烏龍がよくできます。



10月号のちょっと台湾、募集始めました! 募集〆切は9月20日まで!

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ちょっと台湾とは、毎月違うテーマとした台湾茶と伝統茶菓子を紹介し、お家で楽しめる台湾茶通信です。

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・台湾茶|三峽蜜香紅茶

新北市三峽区の地方在来種で作られた蜜香紅茶は、後味に柑橘の香りがするアールグレイに似たような味わい。甘い果物の香りや柑橘の花の香りもして優雅な紅茶で午後のティータイムを過ごそう。


・伝統茶菓子|香港桃酥

桃が入っていないのに、「桃」と書いてあるのは、実はクルミ(クルミの中国語は、核桃という)のこと。中国の陶器の町「景德鎮」の陶芸職人が仕事をしながら窯の上にクッキーの生地を置き、焼き上げのクッキーを午後のおやつとして人気がありました。台湾の桃酥は、香港から伝わって来たので前に香港と付けてあります。素朴なバタークッキーには、香ばしいアーモンドパウダーの味が濃厚。



A.台湾茶のみ(5g×3袋) NT$270

B.台湾茶(5g×3袋)+茶菓子(3つ) NT$370

AとBのどれも税込・送料込で、今月号の説明書付き(台湾茶の紹介、産地の物語、豆知識あるいはレシピ、淹れ方動画QRcode、ちょっと台湾の音などが含まれる情報誌)





★ちょっと台湾の音とは、台湾茶と茶菓子をいただきながら、BGMとして流していけば「今台湾にいる!」という体験をしていただき、より五感で台湾の一時を楽しんでいただく音楽のプレイリストです。台湾の各地で録音したり、台湾伝統的な音楽を紹介したりして、不定期的に曲を追加しています。



2023年10月のちょっと台湾

・台湾茶|三峽蜜香紅茶

・伝統茶菓子|香港桃酥


ちょっと台湾|セットの中身

A. 季節の台湾茶(5g×3袋)+今月号の説明書

B. 台湾茶(5g×3袋)+茶菓子(3つ)+今月号の説明書


説明不足で分かりにくいところがあればいつでもご連絡ください。

応募は専用ページにて、〆切は9月20日まで!


それでは、お待ちしております!

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