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従来のジャスミン茶と違った、手の凝った香りMAXジャスミン文山包種茶。

彰化県花壇郷という小さな町は「ジャスミンの故郷」として知られており、その気候と土壌がジャスミンの生育と栽培に非常に適しています。1961年に北部から種を持ち込んだ後、ジャスミンは花壇の最も重要な産業となりました。全盛期には、ジャスミン畑は約180ヘクタールあり、年間平均100万台斤のジャスミンのつぼみが工場に運び込まれ、ジャスミン茶(香片シャンピーエンとも呼ばれる)が世界各地に輸出され、台湾の経済発展を牽引しました。しかし、経済の発展、人件費の上昇、薫花包種茶の衰退、そして輸出の阻害により、花壇郷のジャスミンの生産量も大幅に減少しました。ただし、現在でも花壇のジャスミンの生産量は台湾全体でトップを占めており、市場に出回っているジャスミン茶の多くは花壇で生産されたものです。

しかし近年、食品安全意識が高まる中、花壇郷の無農薬栽培の有機ジャスミンの栽培面積は2016年の0.4ヘクタールから2020年には5ヘクタールに急増しました。この無農薬栽培された有機ジャスミンは全国的に有名であり、花農にとって第二の春を築く重要な産業となっています。農薬を一切使用せず、虫にかまれたり欠けたりしていることがあるものの、虫が食べるものであれば人間も安心して食べることができます。現在、花壇郷のジャスミンの栽培面積は28ヘクタールで、一般栽培と無農薬栽培の2種類に分かれています。2020年の一般栽培のジャスミンの買い取り価格は600gあたりNT$160であり、無農薬栽培のジャスミンは同量でNT$480と非常に高い買い取り価格となっています。無農薬栽培のジャスミン製品が市場で大変人気があり、花農家たちが一般栽培から無農薬栽培へと切り替える動きが高まっています。

そんなハイクォリティなジャスミンには、ハイクォリティなお茶と焙煎しなければなりません。7月の下旬から9月上旬(正確に言えば24節句の「白露」になります)まではジャスミンの開花期になり、創業100以上の歴史を持つ坪林の老舗祥泰茶荘では年に一回しかないのジャスミン包種茶を作ります。


祥泰茶荘の3代目ご主人にお茶を入れていただきました
祥泰茶荘の3代目ご主人にお茶を入れていただきました


文山包種茶については、ちょっと台湾で何度か紹介したので、過去に書いた記事で文山包種茶の紹介を読む:

包種茶ver.1 ~ver.3、変化の歩みにつきまして、下記2つの記事でご覧いただけます。

包種茶ver.1 とver.2

包種茶ver.3

1921年に創業した老舗祥泰茶荘の紹介



「文山包種茶って、元々お花の香りが高いし、そもそも北台湾の包種茶が現れたのも、お花を入れなくてもお花の香りがする製茶方法が発見されたからですが、またわざわざジャスミンと一緒に薫製するのって、意味ありますか?」と疑問を持った私が、茶荘の若旦那さんに聞きました。


「我々が作るジャスミン包種は、下位のお茶にお花で香りを付けるのではなく、あえて元々香りの高い文山包種茶を使ったジャスミンの燻花茶(くんかちゃ)を作ることにより、最高な香りがする包種茶が生まれるのだ。」と自信を持って答えてくださいました。

祥泰茶荘の4代目若旦那、馮懷謹(フォンホアイジン)さんは、31歳の若さで「2016年国際名茶評議会」に参加し、包種茶と紅茶の両方で2つの金賞を受賞し、国内で最も若いダブルゴールド受賞者となりました。出品した包種茶は繊細な味わいと香りがあり、口に含んだ後に花の香りが広がります。蜜香紅茶は、桂園に似た甘い香りがし、甘みがあり苦くなりません。

彼は、商船学部を卒業したが、家は坪林で代々茶を栽培し製茶しており、船と茶のどちらに進むか悩んだ後、最終的には故郷に戻って家業を受け継ぎ、最高品質の茶を作ることを趣味と目標としています。


幼少期の思い出として、家族や親戚たちは一生をかけて山で茶を栽培し、収穫し、製茶に打ち込んでいました。曾祖父の馮水來は製茶技術に優れ、日本統治時代に十三人の公式「巡回茶師」のうちの一人で、北部の茶農家に技術指導を行っていました。83歳の祖父馮添發はかつて全省の茶葉コンテストで優勝し、父親も茶葉コンテストで賞を受けるなど、茶園は100年の歴史に輝かしい瞬間を刻んできました。

故郷に帰って10年間以上経ちましたが、現在は少しずつお父さんから製茶の仕事を引き継いています。今年のジャスミン包種茶は、最初から最後までお父さんの協力を得ずに、見事な燻花茶が出来上がりました。

ジャスミン包種茶を作るのに、とても時間も手間もかかります。

というのは、雨の降らない日にジャスミンを手で採り、一層茶葉と一層花瓣の交互に重ねて堆積させ、一日以上静置させます。開花した花の香りと甘露が茶葉によく吸収されるようにします。

次は、しぼんだ花瓣を取り除き、花と茶を再び乾燥して水分を飛ばします。茶葉が花瓣から吸収した余分な水分を取り除き、茶葉の変質を防ぎ、花の香りと茶の香りがより調和するようにします。

前の薫香炒茶の工程で花瓣は焦げたような香りがし、抽出後は苦味が感じられる場合があります。そのため、人手で花瓣を一つずつ取り除きます。これにより、燻花茶は花の香りを感じることができる一方で、実際の花瓣は見えないのです。

最後は、花びらを取り除かれた花茶を再び乾燥させ、花の香りと茶の香りが完璧なバランスになるように調和させます。数日間静置され、最終的な製品の包装工程に進みます。

上記はただ単に普通のランクのジャスミン茶の作り方ですが、今回は最上級のジャスミン包種ということで、上記の過程を3回も繰り返したという非常に長い時間をかけたのです。

3回もジャスミンの花つぼみを茶葉に重ねて香りを吸収させ、そして毎回新しい新鮮なジャスミンの花を使います。その工程は、お花の状況にもよりますが、少なくとも1ヶ月間がかかります。こうすることにより、ジャスミンの香りがとても濃いではあるが、上ランクの文山包種茶を使うことにより包種茶の元々あった花の香りも味わえ、香りMAXで素晴らしいハーモニーを演出。

上記に挙げた過去の記事で、包種茶にはVer.1~Ver.3まであると紹介しましたが、今回はジャスミン包種はまさにVer.3からさらに進化した物です。しかし、このような最上級ジャスミン包種の生産量は極めて少なく、一般には出回っていない、ちょっとレアな台湾茶であるため、包種茶Ver.4として定義するができないのではないかと思いまます。


【関連商品】



 



・台湾茶|香りMAXジャスミン包種茶

祥泰茶園4代目若主人の作品。1ヶ月間かけてジャスミン花を3回以上茶葉に吸着させることでジャスミンの香りがとても濃いであるが、上ランクの文山包種茶を使うことにより包種茶の元々あった花の香りも味わえ、香りMAXで素晴らしいハーモニーを演出。


・伝統茶菓子|黒糖雪花餅

雪花餅とは、クラッカーをメレンゲと混ぜ、ドライフルーツやナッツを入れたサクフワで、とても人気な台湾菓子です。Coupe du Monde de la Boulangerie クープ・デュ・モンド(ベーカリー・ワールドカップ)で優勝をを取った「穀王」ベーカリーの無添加雪花餅。表面にメレンゲをたっぷり敷き、さくっとして雪花をイメージ。




ちょっと台湾|セットの中身

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★ちょっと台湾の音とは、台湾茶と茶菓子をいただきながら、BGMとして流していけば「今台湾にいる!」という体験をしていただき、より五感で台湾の一時を楽しんでいただく音楽のプレイリストです。台湾の各地で録音したり、台湾伝統的な音楽を紹介したりして、不定期的に曲を追加しています。





※香りMAXジャスミン文山包種茶は数量限定であり、なくなる次第募集を終了致します。

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