新たな魅力を発見!金萱で作る蜜香紅茶を堪能しよう
台湾茶の中で「金萱(セン)茶」はよく見かけますが、一般的には軽い発酵と焙煎で作られた烏龍茶が多いです。そのため、「金萱って烏龍茶なの?」という質問がよくあります。
実は「金萱」とは品種の名前です。
1981年に発表された「台茶12号」、または「金萱」や「2027、27号、27仔」としても知られています。この「台茶OO号」とは、台湾独自の品種として農業部に属する茶業改良場が数十年をかけて研究・発表した茶樹品種のことです。台茶12号には「金萱」という響きの良い名前が付けられ、また「2027」や「27号」といった呼び方もありますが、今年9月号でご紹介した時に、この呼び名の由来を説明しました。
台茶12号(通称「金萱」)は、1981年に台湾茶業改良場が育成した茶樹品種です。試験代号は2027で、台湾茶業改良場で開発された12番目の品種として正式に登録されています。この品種は「包種茶」「烏龍茶」「紅茶」など多様な製法に適しており、中生種に分類されます。台茶12号は収穫量が青心大冇や青心烏龍と比較して20~50%多く、その高い生産性から茶農家に人気があり、現在では台湾全土で最も広く栽培されている品種です。
台茶12号は、母系の青心烏龍と北海岸の在来種「硬枝紅心」を交配して生まれたもので、母系の青心烏龍の芳香性と、父系の硬枝紅心の強い成長力を兼ね備えた新しい品種です。そのため栽培しやすく、製茶時も安定した品質が得られることから、茶農家や製茶師の間で非常に高い評価を受けています。さらに、消費者にとっても、香り豊かで甘みのある烏龍茶や紅茶が手頃な価格で楽しめるというメリットがあり、台湾茶の歴史の中でも最も成功した品種の一つと称されています。
この品種の育成は、1945年に当時の茶業改良場長である呉振鐸氏が、戦前に日本人が残した5,000株以上の実生苗から優れた株を選抜し、育種研究を始めたことに端を発します。1954年には、茶業改良場にて230種の系統を選出し、10年にわたる実験と観察の末、103種に絞り込みました。さらに9年間の試験を経て、1962年には、茶質が特徴的で収量が多い12品種を決定し、各地での普及が進められました。
その後、1981年には、最も優れた品種として2027号と2029号の2種が選ばれました。これらは収量が多く、適応力が高く、樹勢が旺盛で、茶湯が甘く濃厚であり、深い香りが広がるため、市場価値が極めて高いとされました。最終的に、2027号は「台茶12号」、2029号は「台茶13号」として呉振鐸氏により命名され、それぞれ祖母の名「金萱」と母の名「翠玉」を冠することで、彼の親孝行の思いが表現されています。
もともと烏龍茶に加工されることが多かったため、「金萱茶=烏龍茶」というイメージがありましたが、近年、紅茶の人気上昇とともに、アッサムや紅玉に加え、金萱、翠玉、青心大冇など多様な品種が紅茶としても製茶されるようになり、烏龍茶でも紅茶でも美味しい茶品として一般に認知されています。
【月1の台湾茶通信】「ちょっと台湾」2024年12月号、応募受付開始!
・台湾茶|金萱蜜香紅茶
ウンカに噛まれた茶葉から漂う蜜の香りに、蜜柑、梅干し、干し杏、ウッディーな香りが特徴の金萱紅茶。秋冬にぴったりな小葉種紅茶です。
・茶菓子|肉厚ドライパイナップル
台湾産のパイナップルを厚切りにしてドライに。砂糖で天然保存、塩で隠し味を加えています。
ちょっと台湾|セット内容
A.今月の台湾茶(3回分)+月刊誌 NT$270
B.今月の台湾茶(1回分)+茶菓子(1回分)+月刊誌 NT$270
C.今月の台湾茶(3回分)+茶菓子(3回分)+月刊誌 NT$370
※単品購入・定期購入の選択可
■すべて税込・送料込
■今月号の月刊誌付き(台湾茶紹介、産地のストーリー、豆知識やレシピ、淹れ方動画QRコード、台湾音楽プレイリストなどが掲載)
★応募締め切り:11月20日まで
★台湾より11月末発送、日本には12月上旬お届け
応募専用ページ:
【台湾茶通になろう、飲み比べの裏技】
先月11月号の「蜜香美人紅茶」と12月号の「金萱蜜紅茶」は、同じ製法で異なる品種の紅茶。飲み比べで嗅覚や味覚を磨き、自分好みの品種を見つけましょう!お気に入りの品種が見つかったら、ぜひ教えてくださいね!
Comments