台湾人の生活は、漢方や薬膳が馴染んでいます。夏には寒性や涼性なものを食べ、冬には熱性や温性の食材を使って料理を作るだけでなく、「絶対に氷水を飲まない」という女性も多いです。これは、女性の子宮を暖かく保たないと生理痛になりやすいことが、男女問わず台湾人全員の常識となっています。そして薬膳料理も、子供の頃から各時期に食べさせられ、屋台でもよく四神湯や薬膳排骨(スペアリブの薬膳スープ)が売られていて、コンビニでも日本のチョコラBBのような小瓶に入っている、四物湯の元で作られた栄養ドリンクが並んでいて、ほとんどの女性は飲んだことがあるほど、人気があります。
薬膳生活において、薬膳茶は欠かせない存在です。夏には、苦茶や青草茶、または仙草茶などのハーブをベースにした、体を冷やしてくれるお茶があります。冬には霊芝にナツメや黄耆、または生姜に黒糖などをブレンドした、体を温めて免疫力を高める薬膳茶が人気です。
今回紹介するのは、宜蘭県の礁渓という小さな町で作られた霊芝をベースに、そして苗栗県の公館という町で生産された小粒のナツメ、同じく苗栗県の銅鑼で栽培されたキクの花をブレンドした薬膳茶です。なお、霊芝、ナツメ、キクの花はいずれも有機栽培のものを使用しています。台湾ではクコの実は栽培されておらず、中国から輸入されて薬膳茶や薬膳料理に使われます。
霊芝は漢方として古くから珍重されている「幻のキノコ」で、中国では紀元前200年からその記述があります。不老長寿の伝説で有名であり、現在でも滋養強壮などの薬効が認められ、人工栽培で大量生産され漢方薬や健康食品に利用されています。温性の物であり、抗がん剤の期待もあり、免疫力を高めたり、疲労を軽減したりすると言われています。霊芝に含まれるβ-Dグルカンには、免疫力を高める効果があるとされています。免疫機能を正常にする効果があるため、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、じんましん、アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を緩和する効果も期待されています。
野生の霊芝は湿度の高い森の中で成長しますが、湿度の高い宜蘭では霊芝やキノコ類に最適な環境が整っています。霊芝のチップを小さく切り、栄養素を抽出するために弱火で沸騰させ、その後5分ほど煮出します。元々苦味のある霊芝に、甘みのあるナツメでバランスをとるのが一般的な飲み方です。甘草や桂圓などの生薬も一緒に使用されることがあり、苦味が苦手な方は黒糖を加えると温かくて甘くて飲みやすくなります。
台湾のナツメは、苗栗の公館という町でしか栽培できません。霊芝とは逆に、乾燥した環境が好ましいとされ、台湾の西北部ではその条件が整っています。特に苗栗の土壌がナツメの栽培に適しているとされており、同じく苗栗県では台湾最大の食用キク花の栽培地としても知られています。ナツメは補血効果があるとされ、キクは疲れた目に良いとされています。
今回のお菓子は、宜蘭の100年老舗酒造「宜蘭酒廠」で作られた穀物のポン菓子と、紅麹の煎り大豆を紹介します。疲労回復や精神を安定させる作用を持つ蓮の実や、むくみ解消や老廃物の排出を促進する効果を持つハトムギも、漢方食材としてよく利用されます。また、血圧を下げる作用があり、台湾では紅麹自体を一種の健康食品として利用されています。酒造で発酵された紅麹の酒粕を大豆に絡めて可愛らしいピンク色に仕上げ、それを煎り大豆にしました。紅白で縁起の良い見た目のナッツは、旧正月の食卓にぴったりです。
薬膳茶と健康的なナッツのセットで、まだまだ寒い2月を元気に乗り越えましょう!
・台湾茶|気を補う台湾薬膳茶
宜蘭産の霊芝に、苗栗産のナツメと菊で作られた薬膳茶は、気血を補い、冷え性になりがちな冬に身体を暖かくしてくれます。霊芝も、ナツメも、菊もすべて有機栽培のものを使用し、こだわりの薬膳茶をぜひ味わっていただきたいです。
・伝統茶菓子|ポン菓子と紅麹の煎り大豆の紅白ナッツ
黒糖で絡めた蓮の実、ハトムギのポン菓子に、宜蘭の100年老舗酒造で作られた紅麹を着けて焙煎させた大豆は、ピンク色は縁起も良く、健康的なおやつとして食べ過ぎになりがちな旧正月の期間中に、様々なナッツと一緒によく食べられます。
ちょっと台湾|セットの中身
A. 季節の台湾茶(5g×3袋)+今月号の月刊誌
B. 台湾茶(5g×3袋)+茶菓子(3つ)+今月号の月刊誌
▶︎2023年3月より、AとBのどれも税込・送料込で、今月号の説明書付き(台湾茶の紹介、産地の物語、豆知識あるいはレシピ、淹れ方動画QRcode、ちょっと台湾の音などが含まれる情報誌)
ちょっと「台湾の音」は、台湾茶と茶菓子を楽しみながら、BGMとして流していけば「今台湾にいる!」という体験ができ、より五感で台湾の一時を楽しんでいただく音楽のプレイリストです。台湾の各地で録音したり、台湾伝統的な音楽を紹介したりして、不定期に曲を追加しています。
それでは、お待ちしております~
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