【2025年3月号】春の訪れを感じる、爽やかに香る文山包種茶
- Pin-chun Lin
- 2月1日
- 読了時間: 5分
更新日:2月4日

台湾北部の新北市坪林区は、豊かな山々と澄んだ水に恵まれた地であり、文山包種茶の主要な産地として知られています。年間を通して湿度が高く、昼夜の寒暖差があるこの環境は、茶葉の成長に理想的な条件をもたらします。
坪林の茶産業の歴史は深く、19世紀末から本格的に発展しました。特に文山包種茶は、その軽やかな発酵度と花のような香りで広く愛されており、台湾烏龍茶の中でも独自の個性を持っています。現在も伝統的な製法を受け継ぎながら、品種改良や製茶技術の向上が進められています。
文山包種茶は、北台湾のお茶を代表するほど知名度の高いお茶であり、毎年春と冬(5月と11月)に品評コンテストが開かれます。また、コンテストの結果が出てから、6月と12月に文山包種茶のマルシェが開催されます。作り手が自ら出店するため、たくさん試飲をしながら、直接話を聞くことができる貴重な機会となっています。
「北包種、南凍頂」という諺が存在するほど、文山包種茶は台湾北部を代表するお茶として親しまれています。
朝日新聞&Travelのコラムにおいても、坪林文山包種茶を紹介しました↓

翠玉という品種
今回紹介する文山包種茶に使用されている品種は、台茶13号「翠玉」です。翠玉は、1981年4月10日に台湾の茶葉改良場で発表された品種で、青心烏龍と硬枝紅心の交配によって生まれました。特にその爽やかで華やかな香りが特徴で、多くの製茶師に愛用されています。
翠玉は比較的成長が早く、耐病性も強いため、安定した品質の茶葉を生産しやすい品種です。そのため、文山包種茶をはじめとする軽発酵の烏龍茶に適しており、芳醇な香りとすっきりとした味わいが楽しめます。

翠玉で作られた文山包種茶の特徴
文山包種茶は、爽やかな花のような香りと繊細な甘みが特徴の軽発酵烏龍茶です。今回の文山包種茶は、台茶13号(翠玉)で作られており、その華やかな香りが際立っています。特に、ジンジャーリリーのような芳香が豊かに広がる点が魅力です。
このお茶は、適度な発酵度により、瑞々しい口当たりと優雅な余韻が楽しめます。飲んだ瞬間に広がる花のような香りと、後味に残るほのかな甘みが調和し、春の訪れを感じさせる一杯となっています。

今回の3月号のお茶を手がけたのは、前回2月号と同じく、1921年創業の「祥泰茶荘」4代目当主、馮懷謹(フォン・ホアイジン)さんです。彼は、3代目の馮明忠(フォン・ミンジョン)さんから製茶技術を受け継ぎ、20年にわたる努力の末に信頼を得た、現在の茶荘を支える職人です。
2月号で紹介した「岩韻包種」とは焙煎度が異なり、今回の翠玉の文山包種茶はより軽やかで華やかな香りが際立ちます。同じ包種茶でも焙煎度の違いによる味わいの変化を楽しむことができ、飲み比べにもおすすめです。

文山包種茶のヌガー
今回のお茶請けには、坪林特産の文山包種茶を使用した「包種茶ヌガー」をご紹介します。このヌガーは、地元産の文山包種茶とピーナッツを使用し、一部の砂糖の代わりに健康的なトレハロースを用いて控えめな甘さに仕上げています。
爽やかな茶の香りとミルクのコクが絶妙に調和し、口当たりは柔らかく、歯につきにくいのが特徴です。坪林ならではの風味を楽しめる、ヘルシーで美味しいお茶請けとなっています。
このヌガーを手がけたのは、坪林の老舗菓子屋「祥茂」。100%文山包種茶を使用し、無添加の手作り製法にこだわっています。さらに、製菓工場はISO22000およびHACCP認証を取得しており、安全性と品質にも配慮されています。
成分: ピーナッツ、水飴、トレハロース、砂糖、粉ミルク、バター、卵白、坪林産文山包種茶粉。
爽やかな翠玉の文山包種茶と、伝統の技が詰まった包種茶ヌガー。この春、坪林の恵みを存分に味わってみてはいかがでしょうか?
【月1の台湾茶通信】「ちょっと台湾」2025年3月号、応募受付開始!
・台湾茶|翠玉文山包種茶
文山包種茶は、台湾・坪林産の軽発酵烏龍茶で、爽やかな花のような香りとすっきりした甘みが特徴です。今回の文山包種茶は台茶13号(翠玉)という品種で作られており、特に華やかな香りが際立ちます。中でもジンジャーリリーのような芳香が豊かに広がるのが魅力です。
・茶菓子|文山包種茶牛軋糖
地元特産の文山包種茶とピーナッツを使用して作られた包種茶のヌガーは、一部の砂糖の代わりに健康的なトレハロースで控えめな甘さに仕上げています。爽やかな茶の香りとミルクのコクが調和し、口当たりは柔らかく、歯につきにくいのが特徴。坪林ならではの風味が楽しめる、ヘルシーで美味しいお茶請。
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